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契約書作成~ウェブコンサルティング契約編~

今朝も8時出社でした。会社設立初期は10時出社、今は基本は9時出社、コンサルタントや朝派の人間たちは8時出社で勉強会やめいめいの業務を行っています。今日もお疲れ様。

朝9時の正規業務開始時間までの1時間と区切られた時間であるため、その時間を効率的に利用しようという頭が働きますので本当に朝の貴重な時間を勉学や打ち合わせなどに利用するというのは素晴らしいことだと思います。夜だと各自の予定やエンドレスなどに陥りがちです。健康的ということだけでなく、時間を区切るという意味でもメリットがあったりします。完全に夜派の人は朝早く起きようが寝る時間は変わらないから単純に睡眠時間を削るだけと思うかもしれませんが、慣れるまでが辛抱です。

そんな話はいいのですが、このように勉学の時間を取り、様々な角度から話ができるようになると、パッケージ商品だけでなく、コンサルタント個人にフォーカスしたコンサルティング契約をご所望されるクライアントも増えてきました。非常にありがたいことです。セミナー依頼や出版の話、ブログが紹介されたりとありがたいことばかりなのです。

パッケージ商品のサービス規約とは異なり、ただでさえ目に見えずらいインターネットやITの世界がより見えづらくなるのがコンサルティング契約です。私がコンサルティング契約を作る際にポイントとしていることがありますのでいくつかご紹介したいと思います。これらは、コンサルティング契約をご所望のお客様とも確実に祖語のないようにしなければならないのでヒアリングさせていただきますが、包み隠さずお答えいただけると幸いです。

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①委任業務の範囲

パッケージ商品の内容を含むのか含まないのか、定期訪問があるのかないのか、アクセス解析はあるのか、解析に基づいて月何回までの更新作業・新規作成作業をするのか、ウェブ関連の営業を受ける際の付添+アドバイス提供などなど、委任業務範囲は、千差万別です。当然、コンサルタントによっては得意不得意もありますので。私は、ネット関連の法務が多いですね。プロモーションのコンサルタント(他社さんと一緒にやらせていただく場合もあります)と組むとけっこうおもしろい提案ができたりもします。

②契約期間

通常の委任契約ですと民法にもありますが、特段契約期間を定めませんが、業務範囲などにパッケージ商品が含まれる場合には6ヶ月程度の最低期間を定めさせていただいております。

③報酬額と支払サイト

だいたい作業時間をベースに考えますが、何事も準備や事前調査などの時間もありますので、数パターンからのお見積りになるかと思います。いきなりコンサルからお取引が始まるケースは少なく、事前に何らかの点でお取引きをさせていただいていることが多いのでこの辺りはご相談ベースで柔軟に対応しています。前払いでも後払いでも構いませんが、実費分(リスティング広告の広告費や出張同行の際の諸経費など)は前払いだとありがたいです。

④資料等の提供のお願い

この点、非常に重要になってくるのですが、様々なアドバイスをするときにはどうしても資料等の情報が必要になります。頂きたい資料はできるだけ提供していただけると的確なお話ができるかと思います。たまにアドバイスは欲しいが資料提供はしたくないという方がいらっしゃいますが、ちょっと困っちゃうときがあります。理由は聞きませんが、是非ともお願いします。

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というような感じで、コンサルティング契約の根本は「信頼関係」だと思いますので、お気軽に仰っていただけたらと思います。

上記のポイントも当たり前のことといえば当たり前ですが、両者で齟齬の内容にしていきたいですね。

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ウェブサイト制作~主要取引銀行は載せるべき?~

先日、このような質問を頂きました。

「長澤君、コーポレートサイトを作ろうと思っているんだけど、文書(テキスト)を自分で作らなきゃいけなくてね。そんなこんなで、いろいろなコーポレートサイトを見ているんだけど、会社概要のところに、「主要取引銀行」ってのを書いている会社と書いていない会社があるじゃない。これって書いた方がいいのかなぁ。どう思う?」

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こんな感じ。(引用元は、通常は公表したほうがいいのでしょうが、性質上伏せます)

主要取引銀行の例

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結論から申し上げれば、載せない方がいいと思います。

私から言わせてもらえば、載せている理由すらわかりません。語弊を恐れずに言うならば、「百害あって一利なし」というところでしょうか。

【載せている理由(と思われるもの)】

1.ノリ!!!

→あまり深く考えていない。載せている会社が多いような気がするからとりあえず載せた。

2.サイトを見てくれる人に取引銀行を伝えたい。

→例えば、都市銀行3行(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友)など、通常、関係構築が難しいと言われている銀行と取引(つまり、融資関係)があり、会社として成熟している、信頼のおける会社なんだということを見せたいという理由が考えられます。

私も多くのコーポレートサイトを見てきましたが、「取引関係、融資関係」を単に口座を持っているくらいの感覚で記載されている会社も多いので、あまり信頼は関係ないでしょう。普通預金口座なら、近所に住所があればいつでもいくつでも作れますので。多くは、1のノリでしょうか。ノリなんて言っちゃうと怒られちゃうかもしれませんが…

3.帝国データバンクなどの信用調査機関の慣例

→帝国データバンクなどで与信調査をしたことがある方はご存じだと思いますが、そちらに主要取引銀行という項目があります。それらを慣習的に利用しているのではないでしょうか。

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【載せない方がいい理由】

「主要取引銀行の情報が信頼に値するかどうか」は、サイトを見る人によって違うと思いますが、上記の理由から既に信頼を構築するほどの力はないものと思われます。よって、不特定多数の人に見せなくてもいいじゃないかと思います。

長年、企業法務を担当してきた立場からすると、主要取引銀行情報が載っていると都合のいいことがあります。

簡単に書けば、債務名義をとった後の強制執行手続きで相手方の差し押さえ物件の一つとして利用することができます。強制執行事例を経験なさったことがある方ならわかるかと思いますが、実にこれがめんどくさい。裁判所から判決や和解調書という方法で、債務名義を頂きます。大変な作業はあるといえばありますが、それは許容範囲。

言い方が悪いですけど、債務名義を出すだけ出して、そのあとは、自分で取り立ててねというスタンス。自分で取り立ててねというのは、強制執行等をするなら、もう一度申し立てをしてください、もちろん相手の財産がどこにあるかをあなたが調べた上でね。「あなたが」というのが曲者です。民間人の私らに、通常の方法で調べられるわけないじゃないですか。個人情報保護が叫ばれて久しい、この時代に。

ということで、相手方の一般公開しているコーポレートサイトを見ると、載っているじゃありませんか、「主要取引銀行」が。

もちろん、預金残高があるかはわかりませんが、とりあえずお金がありそうな雰囲気。もしかすると本当の意味で主要取引銀行なのかもと期待が膨らみます。

そんなこんなで、債務名義を必要とするような企業の攻防時に利用されたり、利用したりする場合にこのような話がでてくると考えています。

※ご自身のご判断で載せるか載せないかは決定されてください。ウェブサイト制作は、一見すると、デザインやマーケティングレターなどに目がいきがちです(当然、一番大事なところです)が、会社概要や個人情報保護方針、特定商取引法に基づく表記など、ほとんどテンプレ化しているところにも必ず意味があります。

「神は細部に宿る」

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ペニーオークションとは?

近頃、「ペニーオークション」という言葉を頻繁に聞くようになりました。読者のみなさんは、「ペニーオークション」という言葉を既に耳にされているでしょうか。私は、「ペニーオークション」という名前で呼ばれる前から、このようなサービスの存在を知っていました。詐欺等の犯罪行為ではないかというご相談を受けたり、実際に同種のサービス展開を考えているけど問題ないかなぁといったご相談を頂いておりました。お金や物の流れが不透明で若干信用のおけないサービスかもしれないということで、積極的にお勧めはしていなかったのですが、ここにきてまた頻繁にこのキーワードを耳にするようになりましたので、今回は思うところを書きたいと思います。

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「ペニーオークション」とは、運営者が魅力的な商品を調達し、出品し、入札を繰り返させる競売方式(オークション方式)で利益を得るというサービスです。一般利用者は、市場価格よりもかなり安く買えるということで人気があります。

このペニーオークションの元祖は、ドイツのswoopoというサイトらしいです。

出品物の調達方法は、様々で実はアマゾンで調達している(つまり、落札された後にその商品を購入します。アマゾンは配送が早く様々な商品を扱っていますよね。すごく都合がいいらしいです。在庫リスクを取らない工夫です)とかそんな話は聞いたことがあります。

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例はこんな感じ。

ペニーオークションの例

【ペニーオークションのポイント】

1.入札する度に費用がかかる。

→1回の入札にだいたい何十円かが必要になります。

2.1回の入札ごとに、数円というわずかな金額があがる。

→ちなみに参加者には、商品が安く魅力的に見えます。

3.入札される度に終了時間が数十秒延長される。

→これによってなかなか終了時間に到達しません。

4.自動入札の仕組み(システム化)が導入されていて入札合戦が激化する。

→このシステムというこころがネックになります。一般ユーザーにはわかりませんので…

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【ペニーオークションのブラックな噂】

1.ホントに落札できるのか?

→私は何回か挑戦してみましたが落札する前に飽きてしまいました…あとは、それほどお金を突っ込もうとは思いませんでした。私の周りでは、落札したという人、実際に購入できたという人が数名いましたので、あながち落札できないというのは嘘ではないかと思っています。当然、サイトによると思いますが。

2.運営者が雇った人間にオークションを続けさせているのではないか?偽物の参加者がいるのではないか?自動入札システムで入札を繰り返しているのではないか?

→正直、わかりません。目に見えないですから…透明性の担保は必要でしょう。わかりませんが、サービス提供者の倫理の問題から、当然、このようなことはないと信じたいです。ある種のゲームやギャンブルのようなものですが、勝つこともあれば負けることもある。負けた人へのケアが非常に重要になってくるかもしれませんね。

などなど。憶測は様々。

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アイデア自体はすごく面白いのですが、ブラックな噂が立ってしまうと悲しいですね。

私見ですが、アップルのiMac(パソコン)が420円、ソニーのブラビア(テレビ)が300円、10万円分の旅行券が1,000円、有名ブランドの缶コーヒー24本入りが30円って、見れば見るほど怪しいではないですか。全て新品です。

「うまい話には気をつけろ」と先人たちは仰っていましたが、ブラックな噂が立つのも致し方ないかなと思っています。あやしい…

まぁ、怪しいだけかもしれませんので、実際にいい買い物をしたとい方がいらっしゃったら、教えていただけると幸いです。

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著作物の流通に関わるネット著作権法

著作権法の流れで、今回は、著作物の流通にかかわるネット著作権法と銘打って、論点列挙をしたいと思います。個別具体的に解説や私見などは、機会があれば書きたいと思います。

その前に、著作権法の趣旨と著作物の定義をおさらい。

著作権法の趣旨

「著作物等の保護と利用を図ることにより、文化の発展に寄与する。」

ポイントは、「保護」、「利用」、「文化の発展」ということになります。著作権事例を考えるときに、何度も立ち戻る大原則なのでここで記載しました。

著作物の定義

「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

著作物の流通にかかわる主な論点

1.公衆送信

「送信可能化」の問題。自動公衆送信しえない状態にあるものを自動公衆送信しうるようにする行為。

簡単にいえば、オンラインのサーバに記録情報をアップロードしたり、記録情報の入ったサーバをオンラインにしたりする行為のことを言います。不特定多数の人に情報をばらまいているように見えるが、実際はアクセスしてきた1人1人に送信しているのだというような抗弁があったりする複雑な問題ではあります。

2.プロバイダーの責任

3.プロバイダー責任制限法

4.著作者人格権

5.受信行為

RAM、キャッシュ、検索エンジン、バックアップなどの話です。一時的な複製を認めるかどうか。一時的な複製であろうとも、とりあえず複製権侵害を構成しますので。機械の性質上、仕様上、いたしかたないことが多いですが、議論にはなっていました。たしか、2010年1月になんらかの結論が出ていたような気がします。

6.受信して行う録音・録画

私も好きですが、YouTubeもこのあたりの問題になってくるでしょう。NarTubeというものもあるのですね。。。昔、中国語を勉強していましたのでわかりますが、ネーミングがそのまますぎて面白かったのを記憶しています。

7.リンク

リンクが著作権侵害かというのはよくある話と言えば、よくある話。リンクの貼り方によっては、著作権侵害を構成する可能性がなくはないのですが、基本的には問題ありません。結論は、けっこう浸透しているようですので、どのような場合に著作権侵害を構成する可能性があるかというと、「人の情報を自らが配信していると誤解させるとき(=公衆送信権侵害)」、「一部だけ表示されるような誤解を与えかねないリンク」、「リンクではなく、情報そのものを取り込んでいる場合」、「情報源の氏名などを公表しないとう著作者人格権を傷つけるリンク」などが考えられます。

実際のところ、「情報源の氏名などを公表しないとう著作者人格権を傷つけるリンク」はなかなか難しいと思います。やってみればわかると思いますが、非常に不自然なリンクが出来上がるでしょう…ネット慣習に合わない話です。

8.著作権侵害の主体の問題

[クラブキャッツアイ事件]のカラオケ法理、[ファイルローグ事件]のP2P方式によるファイル交換、[録画ネット事件][ロクラクⅡ事件][まねきTV事件]の放送番組の視聴・録画サービスなどなど、判例が多数あります。

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このようにネット著作権に関わる論点は多く、また技術的な込み入った話もあります。

ネット著作権の問題を考える際には、上記した法の趣旨に翻って考えることが必須となります。

これは著作権法違反ではないかと考えられる内容であっても検索エンジンのように社会的の必要性や認知、許容性などを総合的に考えた上で、著作権侵害ではないということにしようというとりあえずの答えが出る場合もあります。何度も申し上げておりますが、この法律は制定自体は古いですが、日々の変化や守備範囲の広さ等から完全ではありません。実務家の議論がまだまだ必要な法律でもあります。

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著作物の利用方法

インターネット・ビジネスを行う上で、「著作権法」が関わってくる事例があるということはご存じの方も多いと思います。

しかし、この「著作権法」は、歴史も古く、守備範囲も大変広いため、インターネット・ビジネスに特化した法律というわけでもありません。そのため、インターネット・ビジネスに関連する法律であるにもかかわらず、この法律の利用法(利用法というと語弊があるかもしれませんが、本エントリの主題である「著作物の利用実務」)がわからないという方も多いのが実状です。かくいう私も、大学時代にゼミで専攻しておりましたが、「???」な部分も多かった印象があります。

そこで、ご相談や話題に上がりやすい話題である「著作物の利用方法」について簡単に説明します。

4つの著作権処理

1.我が国で保護される著作物かどうか

2.等がい著作物が未だ著作物の保護期間内にあるか

3.著作権法30条から47条の2までの著作権のセk減規定のいずれかにあたるかどうか

4.著作権者を調べ利用の許諾を得ること

『著作権法詳説 判例で読む16章』

弁護士 三山裕三著 東京大学教授 中山信弘 序文

を参考にしていただくと非常にわかりやすく記載されています。

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インターネット上の「犯人特定」サービスの法的問題点

頻繁に問い合わせいただくというわけでもないのですが、当社の誹謗中傷対策チームから相談される事項で、「犯人特定」(事実無根の内容により、権利侵害書き込みを行った者の住所等の個人情報の特定依頼)があります。

基本的に、当社では、犯人特定をサービス化しておりませんが、これらのサービスには、サービス提供者や依頼者(顧客、クライアント)が乗り越えなければならない法的問題があると考えています。これらの法的問題を乗り越えることなしに、権利侵害情報を書き込まれたので、その書き込んだ人物を特定してほしいという安易な依頼をすべきではないですし、その依頼をお金のために受けるということは言語道断であると思います。簡単に申し上げれば、もしもその書き込んだと思われる人物が、実際には書き込んでいなかった場合や書き込んだ内容がそもそも権利侵害(名誉毀損やプライバシー、著作権法違反など)を構成していなかった場合(誤った情報開示)には、特定され公表された人物に対する損害賠償や名誉を回復する措置等はどのようにするのでしょうか。この点、おそらく、「犯人特定のサービス提供者」は何も考えていないでしょう。そして、もしも何かが起こったら、依頼者の要望に従っただけなので、その責任の一切は依頼者にあるということで免責を主張するかもしれません。法も「情報開示をしなかったこと」よりも「誤った情報開示をしたこと」を重く考えているようです。

では、犯人特定の法的問題点について私が考えていることをお伝えしましょう。結論は、安易に犯人特定サービスを利用すると危険であるということです。

1.民間の一業者が、簡単に個人を特定する情報(住所、氏名、IPアドレス、電子メールアドレス、書き込み時間など)を手に入れられること自体が問題。

これらの情報は、プロバイダーと呼ばれる電気通信事業者の下に保管されている情報ですが、その情報保管者ではない「犯人特定をサービス化」している者に対して、簡単に(語弊があるかもしれませんが、正式な裁判手続き、命令等がなく)教えているとしたら大問題でしょう。(ブログサービス提供者やサーバーサービス提供者など。一部、お金で情報提供しているなどという噂を聞きますが…悲しい)

堂々と、「犯人特定ができる」とインターネットという空間で商売にしている私たちのような業者が言ってしまえば、インターネット世界の発展を阻害することになり、完全に自己矛盾を起こしていることになります。いつ、誰が、どのような内容を書き込んだかということが、特定されるだけでなく、その情報を教えてほしいと言った人にいとも簡単に情報が渡ってしまうとしたら、インターネットを利用して情報交換など恐ろしくて一切できなくなってしまいます。そうすれば、インターネットは個人情報が垂れ流されてしまう危険性の高い空間であるので、利用を控えようという動きや、個人情報に対するさらに厳しい規定を制定・運用していこうという動きになり、非常に息苦しくなってしまうでしょう。たしかに技術的には個人特定ができるかもしれないが、それらは、本当に権利侵害をされて困っている人(つまり、法が予定している要件を満たす場合)を助けるときだけに限定的に利用されるべきだと私は考えています。

2.権利侵害と思われる書き込みの判断基準の曖昧さ。

権利侵害と思われる書き込みの判断は、非常に難しいところがあります。なんでもかんでも権利侵害だと決めつけるのは簡単なことですが、一つ一つの状況を確認すると、実は、権利侵害を構成していない場合もあります。権利侵害と思われる書き込みは、たとえば、名誉毀損やプライバシーの問題、著作権法違反などが考えられます。(よくご相談されるのは、だいたいこの3つです)

名誉毀損が多くを占めると思われますが、刑法230条の名誉毀損の違法性阻却事由を発信者が証明できた場合には、名誉毀損は免責されるのです。その違法性阻却事由とは、事実を摘示して名誉を棄損した場合、①それが公共の利害に関する事実に係り、②その目的が専ら公益を図ることにあり、③摘示した事実が真実であると証明されたときは、違法性が阻却され名誉毀損は成立しません。民事でも同様の要件で違法性が阻却されるでしょう。名誉毀損の違法性阻却3要件を立証するのは発信者(書き込んだ人)でありますので、プロバイダーではないことも注意が必要です。もちろん、民間の一業者にもありません。

3.法は、「誤った不開示よりも誤った情報開示」のほうを重く考えている。(プロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求権)

プロバイダーは被害者との関係もありますが、もちろん契約や規約でそのサービスを利用している発信者(書き込み者、権利侵害と思われる人)との関係もありますので、一方的に被害者保護だけを考えるわけにはいきません。本当に被害者かどうかなど事例を見てみないとわかりませんから。

プロバイダ責任制限法は、被害者から発信者情報の開示を請求された場合には、一応、発信者にの意見を聞くことが求められています。(4条2項) 発信者が開示に同意しなかった場合には、基本的にはプロバイダーは情報を開示する必要はないでしょう。発信者の不同意及び権利侵害かどうかの判断はプロバイダーにはできない等の理由から裁判所の正式な開示命令を待つことになった(ある意味、放置した)としても責任を問われることは小さいと思われます。

よって、誤った不開示(①名誉毀損の成立していることが明らかな時、②発信者情報の開示が発信者に損害賠償を請求するために必要である等開示を求めることに正当な理由がある時、左記①②を充足していないと考えて被害者に対して開示しなかったこと)よりも誤った開示のほうを重くしています。誤った開示の場合には、同法とは関係なく、民法の不法行為法で処理されることになると考えられます。(プロバイダと発信者の関係で。もちろんその間に、犯人特定サービス提供者や依頼者がいればそれらも同様に責任追及の対象となる可能性があります)だから、簡単には情報を開示してはいけないと法も予定しています。ということは、この点の理解を薄くして、法は開示するよう義務付けているというような一側面だけを強調した営業トークなどは非常に危険ですのでご注意ください。

以上のことから、「犯人特定」サービスを提供及び依頼するのはかなりのリスクを負うことになります。もちろん憲法で職業選択の自由などが保障されていますから、基本的にはどのようなサービスを展開しても問題はないかと思いますが、この程度のレベルを考慮することなし(考慮しているのならば、依頼者に対して重要事項の説明をしたり、時には諌めることも必要でしょう)にサービスを提供しているとなると、なんだか世も末だなという気持ちになります。もしも本当に犯人特定をしたいということでしたら、粛々と法に基づいて対応されたほうがよろしいかと思います。インターネットによる犯人特定を遂行した場合にはおそらく依頼者がすべての責任をとらないといけませんから。私は、単純なお金儲けではなく、しっかりと倫理観を持った上で事業を展開していきたいと思います。それが、当社のビジョンである「世界で最も尊敬される企業になる」ということだと一同考えております。

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プロバイダーのサービス規約

前回は、「ニフティ事件」を取り上げ、裁判によってプロバイダーの責任が認められた事例があるということをお話ししました。

そこで、今回は、その判決から、プロバイダーはどのようなサービス規約を設定して、利用者に権利侵害発言をさせないような工夫をすればよいでしょうか。

簡単に申し上げれば

「公序良俗に反する表現や他人の権利を侵害するおそれのある表現をしないこと」

「そのような表現を発見したら、場合によってはプロバイダーが書き込みを削除すること」

を規定しておくとよいでしょう。

また、利用者すべてがこの規約に同意していることが重要ですので、どこかで一度読んでもらう機会(規約閲覧機会)の提供が必要です。

このような規定をしたからと言って、プロバイダー側で勝手に削除していいのか(憲法の表現の自由から)という意見もあるようですが、基本的には、プロバイダー側が規約に則って対応すれば問題ないかと思います。

表現の自由に関しては、憲法の規定(憲法は、国家と国民の契約だと習ったような気がします。憲法は国や地方公共団体に対する規則です)ですので、プロバイダーという私人に対して直接適用するのは望ましくありません。やはり一つの企業体として、書き込みを行うもの(利用者)とプロバイダーとの間の利用規約を大事にしたいところです。

したがって、当然、プロバイダーはサービス規約にあることは守らなければなりません。

規約違反の権利侵害的表現行為が発見された場合には、規約にあるような適切な措置を講じなけらば表現行為によって生じた不法行為については、プロバイダーも責任を取らなければならないことになるでしょう。

言ったことは守る。基本中の基本ですね。

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プロバイダーの責任~ニフティ事件~

頻繁に問い合わせいただくというわけでもないのですが、当社の誹謗中傷対策チームから相談される事項で、「犯人特定」(事実無根の内容により、権利侵害書き込みを行った者の住所等の個人情報の特定依頼)があります。

基本的に、当社では、犯人特定をサービス化しておりませんが、犯人特定に最も効果的であると考えられている法律が、「プロバイダ責任制限法」です。この法律については、本ブログでも何度も触れていますが、掘り下げていくことが重要だと思いますので、これからも様々な角度からこの法律に触れていきます。

本日は、プロバイダーの責任を認めた有名な判例をご紹介いたしましょう。

タイトルの通り、「ニフティ事件」と呼ばれているものです。

この判例は、プロバイダーやシステムオペレーター(シスオペというらしいですが)に対して、法的責任を認めました。

ニフティという会社は、インターネットのサービスプロバイダーを主力事業としており、電気通信事業者です。(最近、あんまり話を聞きませんが、有名な会社なので会社概要などは省略)

ニフティは、会員が意見交換をするフォーラム(日本語で言うと「電子会議室」とでもいうのでしょうか。私自身は、あまり使わないので馴染みがないのですが…)を設置・運営・管理していました。このフォーラムで名誉毀損発言、権利侵害発言(とある男性が、とある女性に対し「胎児殺し」「嬰児殺し」などという書き込みを執拗に行ったそうです。原因や背景ははっきりとはわかりませんが…男性会員も男性会員、女性会員も女性会員(男性会員の住所などを調べて特定したそうです。)とお互いエスカレート。詳細割愛)が掲載され、損害賠償請求訴訟が提起されました。被害者(女性会員)は、発言者(男性会員)のみならず、プロバイダーであるニフティやニフティから管理を依頼されていたシスオペに対しても、その法的責任を問うために損害賠償請求(民事)をしました。

第一審判決(東京地判1997年5月26日。wikipediaには27日と書かれていますが、私の調査では26日です)は、掲載された発言が名誉毀損にあたるとした上で、シスオペに対しては、「少なくともシスオペにおいて、その運営・管理するフォーラムに、他人の名誉を毀損する発言が書き込まれていることを具体的に知ったと認められる場合には、当該シスオペには、その地位と権限に照らし、右の者の名誉が不当に害されることがないよう必要な措置をとるべき条理上の作為義務がある」とし、他人の名誉を毀損する発言が書きこまれたことを知りながら必要な措置をとらなかった作為義務違反があるとして、不作為による不法行為の成立を認めました。ニフティに対しては、シスオペとの間に実質的な指揮監督関係があるとし、使用者責任を認めました。

つまり、
シスオペは、作為義務違反。
ニフティは、使用者責任。
よって、被告3者(発言者、シスオペ、ニフティ)に賠償を命じた。

ということで、名誉毀損表現を削除しないまま放置するプロバイダー等に対して法的責任を追及することが可能になります。

続きがありまして、控訴審判決(東京高判2001年9月24日)は、どうだったかというと、シスオペとニフティの両者の責任を否定し、一審判決とは逆の結論が出たそうです。但し、発言者は名誉毀損が確定。男性も反訴したそうですが、反訴請求は棄却)

このような形で、プロバイダーの責任が肯定される判決もありますので、プロバイダーやサイト運営者は、利用者の発言等に対してもある程度のリスクヘッジをしなければなりません。プロバイダーにとっては、利用者の発言の一つひとつを監視しなければならないのかと思うと正直うんざりしますね。

この判決が出たのは、およそ10年前。ここ数年で、フォーラムと言われていたものは、mixiなどでいえばトピックと言ったりするのでしょうか。ブログやツイッター等、私たちのような一般人が情報を発信する場所がインターネットの世界に数限りなくあることがほぼすべての人に認識されています。よって、なかなかプロバイダーにはつらいところですね…

さて、次回は、「プロバイダーのサービス規約」という話で、ニフティ事件のようにプロバイダーが責任追及されないようにするにはどうしたらいいかを考えてみたいと思います。

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法務研修@ヴォラーレ

ヴォラーレ株式会社では、新入社員が入社すると、まず1ヶ月間は徹底的に研修を行う方針を取っています。

研修の中には、座学あり、ロープレあり、先輩社員と一緒にクライアント企業に訪問あり等々、研修カリキュラムに則って1ヶ月目を過ごしていくのです。

その中で、私が担当している研修があるのですが、「法務&財務の基礎」という座学形式の研修を行っています。ビジネスパーソンが最低限知っておくべき法務と財務の研修をしています。

法務と財務の両分野とも、深く掘り進めればどこまででも深く掘り進められる内容ですので、コンパクトにまとめるところに苦慮していましたが、私は、2つのポイントに重点を置いて説明しています。もちろん、このブログで書いている内容である「誹謗中傷関連の法的解決法や限界」についても説明をしています。(当然、法律に携わったことのない人には難しい話です。1回で完全に理解するのは難しいので繰り返し研修が必要だと考えています。)

研修の中で、耳にタコができるくらい繰り返し、繰り返し、話しています。

法務のポイント→「原則と例外」

財務のポイント→「利益と回収」

社内では、私の口癖のように言われていることもありますが、本当に重要なポイントだと思っています。

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「原則と例外」について

①例外には、必ず条件がつく。つまり、その条件以外の場合には、「原則」を貫かなければならない。例外は、小さく限定的に運用されるべきである。
②どんなときに「例外」を考えるのか。(原則を貫くと何かしらの不都合が生じると思うから、「例外」を考える)
③例外を考えるときの基本は、「必要性」と「許容性」
④「原則」と「例外」は日々、問題となるので、必ず原則に立ち返って考える癖をつける。いきなり例外に飛びついてはいけない。

※研修資料から一部抜粋。

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「利益と回収」について

①「利益」
→利益を考えるときは、「売上-費用=利益」という引き算的な考え方ではなく、
「利益=売上-費用」や「売上-利益=費用」という考え方をすることにより、まずは「利益」確保の思考であるべき。利益の確保によって、我々も育ち、そして、それを顧客に還元できるのだ。
→決算書内で「利益」を可視化するのが「損益計算書(PL)」であるが、このPLの中には5つの利益が混在している。同じ利益という言葉でもどんな「利益」を表わしているのかを把握していないと困ることがある。

②「回収」

→いくら利益が出ていても(単に請求書を発行していても)、クライアントからの信任に基づくお支払いをいただけなければダメだ。お金は支払う人からのありがとうの気持ちだからその気持ちの回収を一生懸命していかなければならない。

※研修資料から一部抜粋。

ここでは、簡単になってしまいましたが、それようの研修資料を研修を受ける人の背景に応じてカスタマイズして作っています。法学部出身とか経営学部出身で法律や簿記や会計の基礎知識がある人にはそれ相応の講習をしていかなけらばなりませんので。個人の興味志向なども重要ですね。やっぱり法律とか数字とかを完全に毛嫌いする人はどこにでもいますから。わかりやすく。

この研修にご興味のある方は、ご入社されてください(笑)もれなく受講できます!!フィードバックを頂いたところ、自分で言うのもなんですけどなかなか評判がいいようです。(反省点は、話が流暢になりすぎて、いらないところに脱線しかかること)

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社内研修からも弊社の考え方が分かって頂けると思いますが、戦略と戦術を非常に重要視しており、受けての抱えている問題意識に対して、できるだけカスタマイズしてお応えしていきたいと思っています。

原則は、原則であり、「必要性」と「許容性」が認められる場合は例外的に対応していかなkればならない。

営業レベルで言うと、パッケージ商品はパッケージであり、必要性とコストや利益や効果といった許容性の総合的判断においては、できる限りクライアントの要望に応えていきたいと思います。クライアントが100社いれば、100社の悩みを抱えていると思います。それは我々のようなソリューション提供を行っていれば当然です。(社員の方が読んでいたら、もう一度、個人レベルで考えてみてください。難しい問題・要望があるかもしれませんが、できないと尚早に結論を出すことなく一度噛み砕きましょう。)

是非とも、問題意識の共有をさせていただけたら、最善のご提案ができるかと存じます。これが、弊社のバリューのひとつ、「私たちは顧客と長期的な信頼関係を築きます」に当たります。

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閑話休題~ウェブサイトが模倣された!~

インターネット上の誹謗中傷とともにご相談件数が多いインターネットと法が絡む問題に「著作権法」があります。

大学時代に著作権法を専攻していたのですが、その際には、書物などの著作物よりもインターネットに関わる著作権、いわゆる「デジタル著作権」の問題を数多く取り扱ったことを覚えています。

なぜ、これほど、インターネットと著作権が密接にかかわりあっているのでしょうか。

この種の話は、私が御説明差し上げなくても、既に多くの方が語っているところなので簡単にさせてもらいますが、「コピペ」という言葉が表すように「Ctrl+C」+「Ctrl+V」で簡単にコピーと貼り付けができ、複製と翻案が簡単にできるためです。

時間と費用をかけたにもかかわらず、簡単に模倣されてしまう…

そんなことなら、誰かの作ったものをコピーしてしまえばいいじゃないか。

独自に創作する意欲がなくなる。(失望と怒りがふつふつと)

私の生きているウェブ業界というのは、先人たちの模倣の歴史(ビジネスモデル、ウェブサイト、営業資料を含む広い意味で)の上に成り立っているともいえます。そういう性質のもので、模倣されることを名誉と思うくらいの心持は欲しいところですが、当事者とすれば、深い失望と怒りに苛まれることでしょう。パクリ、パクラレの世界なのは確かです。

それでは、今回のエントリの主題である「ウェブサイトが模倣された場合」のポイントを簡単に解説します。

①依拠性

②同一性

本件は、この2つのポイントに集約されるでしょう。

①「依拠性」とは、著作物を作成するに当たり、既存の著作物を利用すること。

→「利用」とは、既存の著作物の内容及び存在を知っていたかどうか。(最判昭和53年9月7日ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件。懐かしい!!有名な最高裁判例です。)

②「同一性」とは、全く同じものである必要はなく、両者を比較して実質的に同一性といえるかどうか。

→同一性を判断する箇所・部分について(箇所の特定。)

→同一性を判断する部分は全体か、一部分か。(箇所の範囲)

→(私見)ウェブサイトにも型というものがありますので、創作性が認められる箇所の特定で十分ではないでしょうか。全てを完全に模倣するということは考えられません。模倣も部分的に行われることが多いと思います。

以上より、上記の2つのポイントを案件ベースで当てはめ処理をして考えていくことになるでしょう。上記2つの要件を満たした場合には、法に基づいて差し止め請求(削除請求)をすることになります。

これでは、ここまで読まれてきた方は、「結論あやふや」というところで、気持ちの悪い思いをされてしまいます。

最近のことだと思いますが、様々なウェブサイトを見ていると、ウェブサイトの模倣に対する自助努力が見られますのでご紹介いたします。

ウェブサイトのインフォメーションに下記の一文が入っている場合があります。

模倣サイトにご注意 当社HPの文言をそのままコピー&ペーストしたHPが立ち上がっております。当社との関係は一切ございません。」

これらの方法も自助努力の域を達しませんが…

模倣サイトよりも先にサイトを作ったということがわかるように、サイト制作日などをインフォメーションに記載して、暗示していきましょう。

サイト制作は、トライ&エラー、PDCAサイクルの連続だと思いますので、効果検証をしていきます。

ほとんど同じようなサイトを模倣して作ってしまうような制作会社は、存在意義を失って、滅びていくと思われます。

依頼するほうとしても嫌じゃないですか。競合他社のサイトがどんなに優れているとしても、参考ではなくて複製だなんて。お客様にそのような内容を指摘されたときには悲しい思いをするのは依頼者ご本人だと思います。

誹謗中傷とともにインターネット上の権利侵害問題である複製権侵害の話でした。

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